• 2014.02.20

物語の論理学

近代文芸論集

著者名: 中村 三春
文学研究科教員:
<主要目次紹介>
序説 物語の論理学
一 物語の誘惑と差異化 樋口一葉「にごりえ」
二 偽造された家族 泉鏡花
三 夢のファンタジー構造 夏目漱石『夢十夜』「第六夜」
四 〈書くこと〉の不条理 田村俊子「女作者」
五 他者へ、無根拠からの出発 武者小路実篤「生長」
六 花柳小説と人間機械 永井荷風『腕くらべ』
七 幻想童話とコミュニタス 小川未明「赤い蠟燭と人魚」
八 ゆらぎ・差異・生命 佐藤春夫『田園の憂鬱』「『風流』論」
九 かばん語の神 宮澤賢治「サガレンと八月」「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」
十 賢治を物語から救済すること 宮澤賢治「小岩井農場」「風〔の〕又三郎」
十一 闇と光の虚構学 谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
十二 太宰・ヴィヨン・神 太宰治「ヴィヨンの妻」
十三 パラドクシカル・デカダンス 太宰治「父」「桜桃」
十四 今こそ、アナーキズム! アーノルド・ローベル「お手がみ」葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」

内容紹介

日本近代に現れた小説・童話・評論における物語の位相に着目し、物語を〈誘惑〉と〈差異化〉の論理から分析するとともに、絶え間のない〈変異〉において読み直しを図った。樋口一葉の「にごりえ」からアーノルト・ローベルの「お手がみ」まで、物語のありかを極限まで突きつめ、テクスト様式論による新たな読解を試みた。